2014年5月12日月曜日

よみきかせ : おおきなかぶ

 
『おおきなかぶ』はロシア民話なので原作者がなく、そのため多くの画家、翻訳家によっていくつものバージョンの作品が出版されているが、私はやはり、この佐藤忠良、内田莉莎子 バージョンが一番よくできていると思います。

はじめ、カブは一つだけで、おじいさんも一人だけ。シンプルな画面なので、子供にとても理解しやすい。そして、ひとりずつ増えて、そのたびに、きちんと同じ言葉で丁寧に繰り返される。これがとても大切だと感じます。

大人が黙読して、適当なところで同じ繰り返しを端折ったり、省いたりしてしまうと、お話のもつ「繰り返しの心地よさ」が台無しになってしまいます。

 『おおきなかぶ」は、お話を絵で見て、耳で聞く文学だなあ、と実感する作品だと感じました。

『おおきなかぶ』
作: A・トルストイ
絵: 佐藤 忠良
訳: 内田 莉莎子
出版社: 福音館書店

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